出張旅費の精算の流れ
出張費と一口に言っても、実費で精算するものと定額で支給するものが混ざっています。何がどちらに当たるのかを整理したうえで、申請から支給までの流れを追います。
出張費に含まれるもの
「出張費」は法律用語ではなく、出張でかかるお金をまとめて呼ぶ言い方です。中身は 3 つに分かれ、精算のしかたがそれぞれ違います。
| 種類 | 内容 | 精算のしかた | 領収書 |
|---|---|---|---|
| 交通費 | 電車・新幹線・航空券・タクシー | 実費、または規程の定額 | 原則必要(公共交通機関の一部は不要) |
| 宿泊費 | ホテル代 | 実費(上限あり)、または定額 | 実費なら必要 |
| 日当 | 食事代・雑費のための定額 | 定額 | 不要 |
日当だけが、実際にいくら使ったかと関係なく支給されます。ここが混ざると精算が止まりやすいので、規程で 3 つを分けて定義しておきます。
申請から支給までの流れ
- 出張申請 — 出張前に、日程・行き先・目的・想定金額を申請する
- 仮払い(任意) — 交通費や宿泊費を先に渡す場合はここで支払う
- 出張 — 領収書を受け取り、経路と目的を記録しておく
- 精算書の提出 — 帰社後、規程で決めた期限内に提出する
- 承認 — 上長と経理が、規程どおりの金額かを確認する
- 支給 — 仮払いとの差額を精算し、給与とは別に振り込む
必要な書類
会社が保存しておく書類は、おおむね次の 4 つです。
- 出張申請書 — 日程・行き先・目的。事後の申請書と兼ねる場合もあります
- 出張旅費精算書 — 交通費・宿泊費・日当の内訳と合計
- 領収書 — 実費で精算するもの(航空券・ホテル・タクシー等)
- 旅費規程 — 支給額の根拠。出張ごとではなく 1 通を保存しておきます
精算書には、日付・行き先・目的・経路を残します。金額だけの記録だと、後から「何のための支出か」を説明できません。
領収書が出ないものの扱い
電車やバスのように領収書が出ない移動は、精算書に日付・区間・目的・金額を書いて記録します。IC カードの利用履歴を印刷して添える方法もあります。
日当は、そもそも領収書のいらない支給です。規程で金額を定めていることが根拠になるため、実際の使い道を報告させる必要はありません。
インボイス制度での扱い
インボイス制度では、仕入税額控除に原則として適格請求書の保存が必要です。ただし出張旅費には特例があり、通常必要と認められる範囲であれば帳簿の保存だけで控除を受けられます。
(前略)使用人等又は退職者等に出張旅費、宿泊費、日当等として支給する金品がこれに該当するのであるが、同号に規定する課税仕入れは、当該金品のうち、その旅行について通常必要であると認められる部分に係るものに限られることに留意する。
「通常必要と認められる部分」の判定には、所得税の通達(所得税基本通達 9-3)と同じものさしを使うと通達の注記に明記されています。所得税と消費税で別々の基準を用意する必要はありません。
非課税の範囲や判定基準は 出張手当が非課税になる条件 で詳しく説明しています。
締切を規程に書いておく
精算が遅れると、支給月と費用の計上月がずれて、月次の数字が動きます。規程に「帰社後 ◯ 日以内」と書いて運用するのが一般的です。
経理側では、旅費は出張した月の費用として計上し、実際に振り込んだ月に支払いを紐付けます。会計ソフトへの取り込み方は 仕訳CSVの取込手順 を参照してください。
精算の手間を減らす
精算に時間がかかる原因は、だいたい次の 3 つです。
- 日当を出張ごとに手計算している
- 規程を見ながら距離区分を判断している
- 精算書を毎回ゼロから作っている
いずれも、規程の内容を計算ルールとして一度登録しておけば自動化できます。タビマネは、出張の予定を入れると移動距離から日当を計算し、明細をご自身の Google スプレッドシートに書き出します。規程どおりの金額が毎回出るため、規程と実際の支給が食い違いません。
出典
規程どおりの日当を、計算しないで出す
タビマネは、旅費規程の内容を計算ルールとして登録しておくと、出張の予定を入れるだけで 移動距離から日当を算出します。明細はご自身の Google スプレッドシートに残ります。
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